若き「作家たち」へ、「作家の目線」で。


ふおぉぉぉ…気がつけばもう2月も終わりが近付いてきてました…。。なんか2月ってホントあっという間ですね…。

さて、ずっと投稿できていなかった、はこだて・冬・アート展の授賞式の様子を掲載。
1月31日の日曜日の話です。うう、結構前でしたすみません。。

まずは、受賞者みんなでの記念写真。

表彰式の当日は、いつもであればギャラリーで行う表彰なのですが、コロナの関係上ホールにて行いました。

そのせいか、いつにも増して厳かな表彰式となりました。

優秀賞を受賞した人たち。

こちらは奨励賞の受賞者。

全体講評の様子。

というわけで昼頃に表彰式が終わり、ギャラリーへ…。
そこに、今回審査員を務めた作家の輪島進一氏がいらっしゃったため、部員たちが改めて個別に講評していただけることに。

輪島先生は、市函の部員たちにとても熱く熱く講評をしてくださいました。

妥協を許さない、まさに「作家の目線」でそれぞれの作品について語る輪島先生。

真剣に耳を傾ける部員たち…。

私も隣で講評を聴いていましたが、いやーーここまで言ってくださるか…!ってくらい、本気の講評でしたね…。いや、本当にすごかった。まさに「叱咤激励」という言葉がふさわしい。講評を受けた部員たちもその熱に圧倒され、良くも悪くも?ショックを受けていたようです。

顧問としては、部活動を行っていくにあたって、これでも結構いろいろ気を遣っていてですね…笑
どうすればよくなっていくのか、どこを改善してどういうアドバイスで導いてあげたらいいのか、どこまでなら心折れずに頑張れるか…。部活動として、ひとりひとりの成長を見守りつつ、これまでの取り組みの過程を思いながら、みんなで頑張れ、一生懸命やろうぜ、とエールを送り続けるしかできないのです。
そのため、極端に言えば「よく頑張ったね」でいい、そういう部分もあったりするのです。それもまた教育なのです。結果よりも過程が大事、よく言いますよね。

しかし、いざ完成した「作品」として公募展に出す。それは、それまでの過程などお構いなしに、ひとつの「作品」として扱われるのです。それはすなわち、結果がすべて、ということ。審査を経て入賞した「作品」であり、そしてその作者である君たちは「作家」なのです。

輪島先生は、まさしく皆のことを「作家」として見てくださっていました。年齢など君たちと4倍くらい違うけれど、「作家」として認めてくださっていたのだと思います。だからこその、作家目線から作家に対しての講評。ある意味心をえぐってくるような厳しい「叱咤」も、すべては「作家」として認めてくれていたからこその、若き作家に向けての「激励」だったのかと。

ある意味とっても羨ましいことですよ。。
だってねぇ、、そうじゃなかったら「よく頑張ったねぇ」で終わりますもん。そのほうがお互いダメージもないし、ハッピーじゃないですか。ニコニコで終わりますもん。誰だって嫌われたくないし、相手が喜ぶ言葉を言ってあげれば、気持ちも良くなりますもん。

だからこそ、こんな講評なかなかもらうことできませんよね。とってもありがたい経験だったと思います。果たしてそれは皆に伝わったでしょうか…?

残念だったのは、この日会場に来た人だけしか輪島先生とお話ができなかったこと、ですね…。
って、全員来て講評いただいたら日が暮れそうでしたけど笑

部員の皆さんには、部活といえど、作品を発表する以上「作家」である、ということを自覚して、普段の活動に勤しんでいただきたい、かな。
高文連やU21が近付いてくると忙しくなる我らが美術部ですが、決して「季節労働者」じゃないのですよ。普段の地道な積み重ねが、結果的に大きなことを成し遂げることに繋がるんです。

だから、描こう。考えよう。勉強しよう。もっと貪欲に、いっぱい吸収して、具体的な目標を持って、それを達成するために今何ができるのかを大切に、頑張っていきましょう…!
高校3年間なんて、あっという間だからね…。部活って、今だからこそ全力で目一杯できる、素敵な時間なんだということを忘れないでくださいな。


【結果】第21回はこだて・冬・アート展が開幕!【発表】


1月24日(日)より『第21回はこだて・冬・アート展』が開幕となりました。

はこだて・冬・アート展は、函館の文化芸術を発信する市民美術展として、地域で制作活動を行う幅広い層の作家からオリジナル作品を募集。プロ・アマ、ジャンルにかかわらず作品展示をする横断的な展覧会として、毎年冬の季節に開催されています。
例年ですとこの時期の市函美術部は北海道美術協会主催の『道展U21』に向けて作品を制作しているのですが、今年度については新型コロナの関係上「1年延期」、すなわち事実上令和2年度は中止に。。
それならば今年はその情熱を「はこだて・冬・アート展」に向けようではないか!ということになり、昨年下旬から制作に励んできたのでした。
同じような時期に作品発表の機会があることにただただ感謝です。

今年の「はこだて・冬・アート展」には総数166点の作品が出品され、はこだて・冬・アート賞が2点、NHK函館放送局局長賞、函館市文化団体協議会会長賞がそれぞれ1点、優秀賞が9点、奨励賞が11点設けられました。
本校美術部の結果としては、本校からは22点の油彩画を出品し、うち優秀賞に5名、奨励賞に3名の合計8名が入賞することができました。

はこだて・冬・アート展は、令和3年1月24日(日)〜1月31日(日)まで函館市芸術ホールにて開催されています。入場料は無料、10時〜19時(最終日は17時まで)となっており、観覧者は駐車場料金も2時間無料になります。
さまざまなジャンルの作品が並び、とてもあたたかい展覧会です。近隣の方はぜひ足をお運びください。コロナ対策も徹底されていますので安心して観覧いただけると思います。

さて、それでは以下に本校から出品した作品全22点を掲載します。

【2年生】

「まどろみ」 2年 栃山 野乃花 F50 油彩・キャンバス (優秀賞)


 

「Over Lay」 2年 田中 快 F50 油彩・キャンバス (優秀賞)


 

「砂をかむ」 2年 斉藤 璃音 F50 油彩・キャンバス (優秀賞)


 

「胡蝶蘭を染めて」 2年 狩野 胡春 F50 油彩・キャンバス (奨励賞)


 

「静かの箱庭」 2年 佐野 碧華 F30 油彩・キャンバス (奨励賞)


 

「Dear」 2年 池田 眞琴 F50 油彩・キャンバス


 

「夢見鳥に願う」 2年 松川 莉子 F50 油彩・キャンバス


 

「ペンディング」 2年 藤村 恭己 F50 油彩・キャンバス


 

「Night night」 2年 茂木 ふたば F50 油彩・キャンバス


 

「移季葉々」 2年 佐藤 泰徳 F50 油彩・キャンバス


 

「宝石箱のバリアシオン」 2年 花田 瑞紀 F50 油彩・キャンバス


 

「ハマナス」 2年 安齋 雪華 F30 油彩・キャンバス


 

「Your purity equals your loveliness」 2年 内藤 杏 F50 油彩・キャンバス


 
【1年生】

「夢想」 1年 財津 空子 F50 油彩・キャンバス (優秀賞)


 

「夕幻」 1年 松田 彩 F50 油彩・キャンバス (優秀賞)


 

「誘惑」 1年 太田 愛里咲 F50 油彩・キャンバス (奨励賞)


 

「模索」 1年 藤井 優菜 F50 油彩・キャンバス


 

「期する」 1年 今村 美礼 F50 油彩・キャンバス


 

「秋麗」 1年 白坂 来望 F50 油彩・キャンバス


 

「レプリカント」 1年 藤井 新 F50 油彩・キャンバス


 

「変革」 1年 齊藤 瑞紀 F50 油彩・キャンバス


 

「白昼夢」 1年 小澤 采加 F50 油彩・キャンバス

今回はそれぞれがいつもとは違った表現方法を模索しました。構図、色、タッチ、見せ方などなど、構想段階でなかなかイメージが固まらない部員が多く、また制作に入っても壁にぶち当たって大いに悩みまくり、思いどおりに制作が進まないように感じていました。特に1年生は大きい作品はまだ2枚目、しかも夏よりも大きい50号。30号とは大きさも見せ方もまた全然違うわけで、文字通り壁のように立ちふさがるキャンバスにぶつかっていたようです。

もちろん完成のイメージを持って制作にあたるわけですが、いつもと違った表現や構図を取り入れたことで自身でなかなかそのゴールが想像しきれず、焦りと不安に押しつぶされそうになりながら、さらに冬休みが明けてすぐ出品といういつもよりも限られた時間での制作は、正直難航していたと感じます。

ただ、そのおかげで今回の制作を通して新しい発見や得た技術、表現手法を学んだ部員も多かったと思います。
おそらくそれらは今夏開催予定の高文連に活かされてくるはずです。高文連は全国につながる美術部最大の取り組み。ぜひ全国を目指して頑張ってほしいです。

入賞できた、できなかったという単純に『結果』がどうだったかという意味では、悔しい思いをした部員も多かったことでしょう。
しかしながら、改めて自身の制作を見つめ直す機会にもなったことでしょうし、また結果よりもチャレンジしたことによる収穫のことのほうが大きいのではないでしょうか。
今回入賞した作品たちは、やはりただの写真の模写ではなく、色やかたち、構図やタッチで自身の表現を追求したものが多かったように感じました。

高校生の部活動では、結果よりも過程が大事だと常々思っています。
そりゃいい結果は欲しい。けれど、最後まで諦めずに創意工夫を大切にし、粘って粘って粘りまくって自身と向き合う経験を積み重ねてきたことこそが、本当の意味での結果であり成長です。
とことんまで好きなことに取り組むことができる今を大切にね。これからも自分にしかできない表現を求め、さらなる高みを目指して頑張っていってほしいと願っています。

何枚でも ほら何枚でも
自信がないから描いてきたんだよ
何回でも ほら何回でも
積み上げてきたことが武器になる
周りを見たって 誰と比べたって
僕にしかできないことはなんだ
今でも自信なんかない それでも

全てを賭けて描く 自分にしか出せない色で
朝も夜も走り続け 見つけ出した青い光
好きなものと向き合うこと 今だって怖いことだけど
もう今はあの日の透明な僕じゃない

〜YOASOBI 「群青」より

 
 
それでは1月17日日曜日、搬入直前の様子から。
仮縁も取り付けられ、いよいよ出品…のはずなんですが、ギリギリまで己と戦っています。

まだまだ描いてます。最後の最後まで諦めが悪いのが市函美術部のいいところ。

展示紐の取り付けを行う人たち。

いよいよ作品を美術室から運び出します。

いざ出陣…!

無事、芸術ホールに作品を搬入することができました。天気が良くてよかったですな。

搬入終了後、記念撮影!お疲れさまでした!

というわけで、こちらは後日。
早速作品を鑑賞しに行ってきました。

冬アート展看板。

芸術ホール入り口から五稜郭タワーが見えます。

ずらりと並ぶ作品たち。

今年のはこだて・冬・アート賞は、彫刻と書の作品でした。ちなみに書は本校の書道部員の作品で、これまた素晴らしい書です。

皆で作品を鑑賞しました。

こちらは昨年大賞を受賞した方の作品。今年もとんでもないクオリティの仏像でした…!

思わず拝む部員たち。実は作者の方は某中学校の美術の教員で、本校部員の中にも中学校時代にお世話になっている部員もいるのでした。

しかし…本当にすごい作品です。顧問は偶然作者の方と会場でお会いしてお話をする機会があったのですが、フィギュアや仏像の話で大変盛り上がってしまいました。
この作品は日本のみならず、世界に持っていったら相当ウケるんじゃないだろうか…。

とっちーの作品の前でポーズする部員たち。

というわけで、ぜひはこだて・冬・アート展に行ってみてくださいね!
部員は今回の制作を通しての反省レポートをしっかり書きましょう!そして、活動も一段落した今こそ、改めて今自分にできることを考えて取り組んでいってほしいと思います。


冬休み明けの朝。


長かったような短かったような冬休みがとうとう明けました。

明けた朝の美術室の様子です。
今週は今日明日の二日間が授業日ではありますが、たまたま別教室で行える授業になっているため、週末の「はこだて・冬・アート展」搬入日まではこのままの状態でいきます。

朝日が差し込む美術室。
この作品がびっしり並んだ感じと朝日が相まって、なんともいえない美しさを醸し出しています。

またね、油絵の具の匂いがいいんだな…。うーん美術室らしい…。

完成目前というのもありますが、作品たちもいつもより素敵に見えますな。

逆光で神々しくすら見えてきます。朝日のおかげでちょっと盛れてますかね。

戦いのあと、っていう感じがします。って、まだ戦いは続いてるんですけどね。

冬季休業期間中、殆どの部員がほぼ毎日頑張って制作していました。1日も休まず出てきて制作に励んでいた部員も多く、ほとほと感心するばかりです。

毎日作品と向き合っていることで突破口が開けて作品が伸びていくことを実感することもあるでしょう。しかし、多分思うように制作が進まなくて逃げ出したくなることのほうが多かったかもしれません。特に今回は自身の作風についてチャレンジすることが全体におけるひとつの目標だったため、苦労していた人は例年以上に多かったかもしれません。

しかしながら、前が見えなくても一生懸命ひたむきに努力を重ねていくことで、着実に制作は進んでいく。これが何よりも大切なんだよね。互いに励まし合いながら、逃げずに向き合うことの大切さを、制作を通して学んでいるはずです。

なにより、本気で努力した、戦ったという事実は、すべて自分自身の経験として返ってきます。すべての責任は、自分にある。誰にも言い訳はできない。ずしっと重たくのしかかってくるけれど、その分やりがいもある。自分に言い訳しても仕方ないから。

そうやって苦心しつついっぱい考えて、慎重に重ねていった絵の具の厚みは日に日に増していき、作品は輝いていく。必ずしも「上手い絵」が「いい作品」というわけではない。今の自分の努力の結晶、自分の分身として、確かに一歩ずつ創り上げられてきた作品のよさは、きっと他者にも、なにより自分自身に伝わるはずです。

搬入日は17日の日曜日。制作できる時間はあと僅か。思いを乗せることをあきらめず、今できる自分の最高の取り組みを持って駆け抜けてほしいと思います。

こういうときのBGMは、YOASOBIの「群青」ですな。このアルフォートバージョンのが最高。

いやーー久しぶりに聴いたけど、この曲は沁みますなぁ…素で泣ける。しかしまぁ、詩と映像の内容が見事にうちの美術部にどストライクな楽曲ですこと…。

ちなみにフルバージョンの公式PVはこちらです。せっかくなのでこちらも貼っておこう。

PV的にはイメージとちょっと違うんですが、アルフォートバージョンでは残念ながらカットされている部分も全部聴くことができます。
(ていうかこのブログにYoutube埋め込めるの初めて知った…)
 
 
 
さて、冬休みが終わる前には、仮縁(作品の額)の作成も行いました。
例年使いまわしてきた仮縁ももう傷んでボロボロのため、今年は久しぶりに木材を購入して作ることになりました。

1820mmの「小舞」という木材を、都合66本購入…。
今年は多くの部員がF50号であるためこの量に…。在庫していてくれてよかった…。。

手分けして部材の加工を行いました。

予想に反して、よっしーがさくさくと作業できることがわかったのが収穫でした笑
キミは立派な職人になれるぜ…!笑

そして屋外で塗装作業敢行。
今シーズンの函館は、結構雪が積もっています。まずある程度雪かき作業を…。

この日は割と暖かく、雪も降っていなかったのでなんとか作業できましたが、それにしたって2時間も外にいたらさすがに寒かった…。風邪引かなかったかな。。

1年生にもしっかり頑張ってもらいました。
薄く全体にスプレーしつつ、こまめにひっくり返して徐々に重ねること、あと冬なのでスプレーの吹きが悪くならないように温水にスプレー缶を漬けて温めるという技を伝授。あんまりこういうの指導すること最近はなかったので、いい機会だったかと思います。

というわけで、なんとか塗装作業も終了。これで綺麗な額(と言っても仮縁ですが)で出品ができる…よかったよかった^^

そんなこんなでなんとか頑張っています。
あと少し…!まだまだ作品は高まっていくはずです。絵画って、一筆絵の具を置くだけでも案外変わるもの。諦めずに最後までやりきってほしいですな…!
 
 
 
おまけ。
3年前に卒業した美術部OGのきくちプロから、大学での課題でマスク姿の部員の写真をいただけないか、との依頼を受け、さくっと撮って送ってあげました。

ラーメン屋の大将みたいな男子二人と…

仲睦まじい女子部員の写真。

きくちプロも大学で頑張ってるようでなによりですな^^
ほかの卒業生たちもコロナ禍に負けず頑張ってるかなぁ…。


新年あけましておめでとうございます。


市立函館高校美術部ブログにお越しの皆様、少々遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
本年もまたよろしくお願いいたします。

というわけで年も明け、4日から普通に部活動も再開。部員も普通にたくさん参加して頑張っています。
コロナの感染拡大を受け、首都圏では緊急事態宣言が発令されました。函館でも感染者が出たりしていますが、現時点では本校は部活動の制限はありません。しかしながら近隣の学校で出ている関係もあり、それぞれ緊張感を持って活動を行っています。

ちなみに今日は全道の美術専門部専門委員会がZOOMで行われました。
準備室にこもって会議に参加していたんですが、来年度の全道大会の運営についてや出品規定などさまざまなことについて議論され、気付いたらしっかり2時間以上の会議になりました。ZOOMでも思った以上に普通にできるもんだな、と今更ながら思いました^^;

そのため、会議が終わったらもうだいたいの部員も帰ってしまっていて、残る数名がギリギリまで制作しておりましたとさ。

放課後、誰もいなくなった美術室…。

冬休みもあと残すところ5日です。うそっ、あと、5日ですってよ…。。間に合うのか…。。。

そして黒板には謎の落書きが増えていってます。
この落書きが増えていく感じが、彼女らのストレス発散のような気がしてなりませんので、もっと描いてもいいよ笑

外は、寒そう…。。

今日は大寒波で大変恐れていたんですが、函館はそこまでではなかったです。
それでも例年より雪は多い…。そして、寒いですね。。

風邪など引かずに、頑張っていきたいと思います。
今年も市函美術部の応援、よろしくお願いいたします…!!