タグ : ワークショップ

「ハコビ・マジカル・ワークショップ」ボランティアに参加してきました。


このたび函館美術館が主催となって開催されるワークショップ「ハコビ・マジカル・ワークショップ」のボランティア要員として、本校美術部員10名が5月25日・26日の2日間、函館美術館にて活動してきました。

いきさつとしては、市立函館高校では「函館学」という授業があり、その中で今年度の1年次生より「地域探求学習」というものが設定されたのですが、その関係で担当の先生から「函館美術館で開催されるワークショップに美術部の活動として参加してみてはどうか」という話があり、部員に参加希望を募ってみたところ、ぜひ参加したいという声がわわーっと上がり、まずは今回のワークショップボランティアに3年生を中心とした10名(3年生8名・2年生2名)で参加することとなったのでした。

まずはワークショップ前日の25日金曜日、この日は高体連集約日ということで4時間授業でした。
さっそく午後3時に美術館へ向かいます。講堂に通された我々は、まず2日間の流れについて説明を受け…

会場設営を行いました。椅子を片付け、指示に従いブルーシートを敷きます。

ここで函館美術館の学芸員さんである井内様から今回のワークショップの講師である景澤先生のご紹介と説明がありました。

今回のワークショップは、「京友禅体験〜ハンカチ染め〜」。伝統工芸である友禅染を体験するワークショップであり、そしてそのお手伝いをするということでした。

早速材料や道具の配布のお手伝いをします。
友禅染の顔料が並ぶと、部員たちから「わぁーきれい!」と声が上がりました。

この日はまず友禅染を体験します。各自図案が描かれたハンカチを選びました。図案は先生が前もって手描きで描いてくださったもので、一枚一枚が手描きです。失礼ながら最初プリントされたものかと思っていました。この枚数を手描きとは…すごい…。。
部員たちは、様々な和の素敵な柄に既に心が完全に奪われている様子でした。

さて、最初に作業がしやすいように「伸子張り(しんしばり)」を行います。竹ひごの両端に針がついていて、それを使ってハンカチをぴんと張っていきます。針がついていて気をつけないと怪我をしそうでした。

梅皿にそれぞれ好きな色を出し、早速彩色開始。

さすがに美術部とあって、絵の具を使うことについてはお手のもの。各自思い切って色を差し始めます。

実に発色が綺麗ですねぇ。

もう、言われなくてもぼかしを入れ始めています。

最初は慎重でしたが、どんどん筆が進み、ノリノリに。

ワイワイやりつつも、かなり真剣に制作しています。このあたりはさすがだなぁと感心。

そんな中、キングが「にじみ過ぎてはみ出しまくった…!もう鱗粉にするしかない…!」と騒いでいました。

さよちんは淡くさわやかに色を置いていって、ほぼ完成かと思った矢先に「もっと渋くしたいですね…」と、いよいよ黒系の色を差し始めます。

こちらではいよいよ立ち上がって図案の周辺に色を差し始めるガースー。みんな自由です。実に自由。

もくもくと制作に励むハマネル。実に綺麗な配色だなぁ…。

あっいよいよさよちんが周りを黒く染め始めました。彼女はとどまるところを知りません。

そしてとなりのおつるも負けじと黄緑に染め始めます。

そんなこんなで皆集中しすごく楽しそうに制作をしているんですが、まぁ美術部の性格上、どんどんのめり込んでいくために時間がかかりまくり。
もう予定の制作時間はとっくに過ぎているにもかかわらず、そんなことお構いなしに制作を続けます。
もちろん美術館の方々もそのあたりは理解してくださり、時間を延長しての制作となりました。

しかしそれでもいよいよ時間が無くなってきました。
背景を染め始めたふたりは急ピッチで制作を進めます。

キングとハマネルが談笑しています。同じ蝶の図案を選んだ仲間としての絆が生まれたのでしょう。

ひたすらもくもくと一言も発さず集中して制作していたはうるの作品は、とても美しい色味になっています。細かいなぁ…そして色が美しい…!

さて、いよいよ終わりが近づきました。各自名前を入れて完成となります。

ハマネル…名前がデカいな…(笑)

おしゃない部長のはなんだか小学生のもちものみたいな名前の入り方になっています。

タイムアップ目前でさよちんが三日月を描き入れました。時間がない!と、ガースーとともにダブルでドライヤーをあてています。

そんなこんなで美術館の閉館時間をオーバーしてまでの制作となりました。すごく…自由…いやぁ最高ですね。

さらにそのあとは特別展の観覧までさせてもらい、すべてが終了したのは夕方の6時半頃。
もうなんだかただただ楽しんだだけの友禅染体験でした。完成した作品とともに記念撮影。とても充実した表情を浮かべています(笑)

というわけでこの日はこれにて終了。皆満足して帰路につきました。
 
 
 
 
そして翌日。
12時半前に集合した我々は、いざ美術館へ。この日は天気がめちゃくちゃ良かったです。

さっそく会場設営。荷物置き用の椅子を並べます。

ほどなくして参加者がどんどんやってきました。元気よく挨拶を交わし、全員が席についたところでいよいよワークショップの開催です。

先に特別展のギャラリーツアーを行い、

その後はまた講堂に集合し、景澤先生より友禅染の解説がありました。

そして制作が始まりました。
部員たちは参加者の制作のサポートということで、各々が動きまわり、参加者とのコミュニケーションを取っていきます。
小さなお子さんも参加されているので、早速フォローについてまわります。

前日にしっかり制作をしただけあって、談笑しながら的確なアドバイスをしていました。伸子の針に気をつけて…。

今回、顧問はあえて一切のフォローを行わず、すべて部員だけで動いてもらいました。たまにちょいちょい部員にツッコミを入れながら。
こういうのすごく好きなので本当はすごく話しかけたりしたかったんですが、花はすべて部員に持たせます。顧問はひたすら撮影係に徹します。

こうやって見ていると、それぞれの動きがよくわかりますね。まるで実習生の授業を見守っている感じ。
例えばキングは常に引きの姿勢で見守る派のようです。うん、見守っていますね…。

笑顔で積極的にどんどん接していくさまは、大したものだなぁと感心して見ていました。

女の子は落ち着いて黙々と楽しそうに制作するのですが、やはり男の子はちょっと動きたくなってしまいます。そんな子のところに、言われなくてもしっかり張り付いてサポートしていました。えらいえらい。

顔を寄せてコミュニケーションを取っています。こういうときは目線の高さを合わせることが大事。わかってますねぇ。

おや、キングが徐々に近づいてきました。

ハマネルは身を乗り出して御婦人とコミュニケーションを取っています。なんか意外。
いやぁしかし皆さん楽しそうに制作していましたね。ていうか楽しいに決まってるよなぁ…。

にしてもいちいちキングの表情が素晴らしいです。もはや保護者のようだ(笑)

かくして制作が終了。やはり予定の時間を30分ほど超えての制作でした。皆さん制作に没頭されていましたね。
完成作品を前に出てご披露。どれも素敵な作品でした。

完成した作品は各自持ち帰りです。自宅でアイロンを掛けて顔料を定着させると、洗っても落ちることがなくなるとのこと。
きっと実際に使ったり、部屋に飾ったりされるのではないでしょうか。実にいい体験だったと思います。参加された皆様、お疲れ様でした。

 
 
 
というわけで、本日のワークショップは無事終了しました!

ずっと立ち歩いての活動だったのと、笑顔を作りっぱなしだったためか相当に疲れたようです(笑)
ニコニコマシーンでおなじみのおしゃない部長ですら「いつも笑顔だから別に大丈夫なんですけど、さすがに頬のあたりがピクピクしましゅ…」と話していました。いやぁ、笑顔は大事ですよね。遠巻きに見ていた顧問ですら、いつもより気持ちニコニコしていたので顔が疲れましたから…。

今回の体験を通して、友禅染についての知識を学び、また体験もすることができ(僕らは無料でよかったのですか??ってくらいでした)、また地域の人たちと交流することができてとても良い機会でした。
”ボランティア”と言いつつも、純粋に2日間実に楽しく充実した時間となり、むしろこちらが参加させていただけたことに感謝するような取り組みとなりました。この場をお借りしまして、函館美術館の井内さんや京友禅講師の景澤先生をはじめ、関係の方々にお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

ぜひ機会がありましたら、函館美術館のワークショップに参加されることをオススメします♪
市函美術部としましても、また今後開催されるワークショップのお手伝いをさせていただくことがあるかと思います。その際には、どうぞよろしくお願いいたします。

以上、今回のワークショップボランティアの報告でした♪あー楽しかった^^


「がんばれ!美術の時間」in市立函館高校!


11月11日土曜日の今日、札幌大谷大学さんに来校いただき、高校の美術部を応援・サポートする美術部応援プロジェクト「がんばれ!美術の時間」が本校を会場として開催されました。

このワークショップでは、油彩の基本を学ぶ講座、マチエール(作品表面の肌合いのこと)を活かした油彩の応用編講座、日本画の講座、プロジェクションマッピングの講座の計4つの講座が開講されました。

本校部員は1〜3年生の28名が参加、他の道南の美術部員は13名、合計41名がそれぞれの講座に参加し、普段なかなか体験できない大学の美術を学ぶことができました。皆とても楽しんで集中して取り組んでいて、実に充実した時間だったようです。
 
 
 
 
 

というわけで、本校部員の活動を中心に写真でご紹介していきます。
まずは油彩の応用編となる講座の様子から。

すでに用意してくださっていたシルクスクリーンの版を使い、名前のイニシャルの英字をモデリングペーストで転写します。

皆さんもうこの時点で普段やらないことなのでもうワクワクしながら作業していましたね。

こんな感じに仕上がっていました。これがこのあとどう変化していくのか…?

そして、参考資料がすごいクオリティ…!最初A4サイズのイラストボードのようなものに印刷されているのかと思いきや、実際にそこに描かれているということを知った時は驚きましたね…。小さいのに、このままF30くらいのサイズに拡大しても全然問題ないレベルの密度です。

このあとどうなっていくのかが楽しみです。
 
 
 
 
 

さて、こちらは日本画の講座。
顧問は日本画の水干絵具に興味があったので、こちらの写真はかなり多めになっています。

水干絵具。色がとても美しい…。。

この色を見ているだけで、何か描いてみたいと思わされるような美しさでした。

金箔を慎重に扱っています。鼻息でも吹き飛んでしまう、極薄の箔。

このあとキングは想定外の不器用っぷりが判明し……

「自分、不器用ですから…じぶん、ぶきようですから…」とずっとつぶやいていました(笑)

もう、楽しい、それしかないって感じです。

膠(にかわ)を塗り、箔を貼り付ける準備をしています。

貼り付けたら終わりなので、慎重に構図を決めようとするさよちん。

皆さん箔を貼り込んだら、扇風機で乾かします。

例えば、こんな感じ。

水干絵具を新聞で包んで擦り潰すんですが、どう包んでもはみ出しまくり、「自分、不器(略」とつぶやき続けるキング(笑)

平向先生の解説を真剣に聴く面々。

顔が本気です。目がキラキラしています。キングはなんかちょっと目が虚ろです。

なぜかおしゃないまで目線があやしい(笑)

練り終えた絵具たち。実に美しい…。

今回は学校のすぐ脇で拾った紅葉を題材に描きました。


 
 
 
 

さて、こちらはプロジェクションマッピングの様子。

いかんせん動いている映像の分野なので、写真が異様に少ないという…(笑)

ちなみに顧問は写真はよく撮るんですが、映像はからっきし。だけどVJの分野はすごく興味があって、いつかプロジェクションマッピングを授業に取り入れたいと考えていたので、実に興味深い話を聴くことが出来てとても勉強になり、また楽しかったです。
 
 
 
 
 

さて、油彩の基本編については、別フロアの美術室で行っていました。

こちらは割と見慣れた油彩画の風景です。江差の十河先生もサポートで一緒に入っています。

基礎的な形体のモチーフを描くという、油彩画の実践的な制作を行っています。
しかし、キャンバスを使うのではなく、厚紙に描いています。か、紙…??

テレピンを混ぜてすいすいと絵具を乗せていきます。ほう…紙でもいけるんだ…。

ガシガシ乗せていっていますね。

徐々に絵具がしっかりと食いつき始めてきました。

開始が10時頃、終了はだいたい14時半前。おおよそ3時間半弱で作品を作っていきます。生徒も必死。

皆さんシーンと静まり返って、脇目も振らず制作に励んでいました。うーむ、いい感じ…。
 
 
 
 

さて、また別会場に戻って、油彩画応用編の様子です。

だんだん制作が進んできました。すでにかなり面白い状態になっています。

かなりノリノリで制作を進めているようです。

今回の講座の内容は、U21の作品にかなり影響を及ぼしそうな気がしますね…。

テレピンをぱっぱっと指でふりかけていきます。

少し置いてからそこを刷毛でなぞると…?

テレピンが飛んだところの絵具が溶けて、不思議な模様が浮かんできます。この偶然の表情を利用してさらに描き込んだりしていくことで、平面なのに立体的な、筆だけでは表現できない表現が出来るというのです。これはすごい…。

モリの作品はモリの作品とすぐにわかるモリカラー。

すっごい楽しいっす…!!と夢中で制作に励んでいました。

紙やすりを使ってマチエールの出ている部分を削り出していくことで、これまた面白い表情が浮かんできます。
あれこれ考えながら描き込み等を進めていきます。

最終的には時間がやや足りなかったようですが、実にいい体験が出来たようです。
 
 
 
 

さて、日本画講座のほうはというと…

描いた部分をドライヤーで乾かしています。

かなり制作は順調に進んでいる様子。

箔が破れた部分も味として活かしています。

はらはらと散っている紅葉が表現されていますなぁ…。

だいたい描き上がったところで、小さい箔を散らしていきます。おしゃないのドヤ顔がまぶしい…(笑)楽しそうですなあ!

こちらは完成作品。こんな感じで初の日本画作品が仕上がっていったのでした。


 
 
 
 
 
油彩画基礎編の方も、いよいよ完成のようです。

短時間で描いたとは思えない作品がたくさん。本当に皆さん頑張って制作していたようです。

こんな感じです。

いやいやいい感じですなぁ。

そして、全体講評会が開催されました。

川口先生と十河先生のいい味を出しているコンビが次々に作品について講評していきました。

講評のときには顧問も後ろでずっと聴いていたのですが、とてもいい講評でした。皆さんちゃんと頭に刻み込んだかな…。
今回の油彩画基礎編はうちの美術部員の1年生が多数参加していたのですが、実に実践的でこれからに繋がる内容だったと思います。が、誰もメモを取らない…なぜだ…。ま、きっとメモを取るよりもきちんと話を聴いて自分の中に取り込もうとしていたんだと思います。制作が終わってすぐ講評会の準備でバタバタしてたしね。

例えば、「塗り」にしないで「描き」にする。ナイフは1年生の段階では描画には適しておらず、筆でしっかり描くことを勧める。写真は「資料」として必要であり、あくまで参考に。参考資料として撮るならものすごくたくさん撮るべし、たくさんたくさん撮って、どういうのが「良い構図」なのかに気付けるようにならなきゃならない。しつこく対象に迫ろうとすることが大切。説明的すぎないように。弱く、しっかり描く。絵具はケチらずどんどん使って乗せていくべき。指で伸ばすのは多用すべきではない。とにかく対象を観察すること。などなど…。

多分、顧問にもいつも言われていることもあったんじゃないでしょうかね。特に写真の使い方や構図の決め方についてなんて心当たりあるんじゃないかな。写真を撮ってそれを見ながら真似して描くのは、ただの模写であってそれなら写真に敵うわけがない。しつこく対象に迫るべき、って時には、写真をただ表面的になぞっても正直無理です。だから、極力自分でいいなと思ったことやものを資料としてたっくさん撮影し、その時に感じた雰囲気や空気、匂いや色を表現していかなくてはならない。
だから過去にスマホで撮った写真や昔の頃のスナップとかを描くのは僕は否定的なんです。何気なく撮ったものや誰かに撮ってもらったものでもいいものはあるかもしれない。けれど、それって「資料」として部分的に使ったりするのはアリかもだけど、それをまるまる描いてもさ。ましてや1枚しか無い写真を描くとか、よほど想像力豊かで経験を積んでいないと、正直写真を越えることなんて無理です。

今回「ものを観察して描く」という制作を通して感じたことや得たこと、学んだことがきっとたくさんあったかと思います。その経験をぜひ忘れないように。いろいろ見つかった課題を意識して、次の制作に活かしてほしいと思います。ぜひ聴いたことを忘れないうちに思い返してスケッチブックに書き留めておくことをおすすめします。

 
 
 
 
そんなこんなであっという間に始まってあっという間に終わってしまった、今回の札幌大谷大学の「がんばれ!美術の時間」。
正直こちらが予想していたよりもさらにいい経験が出来たのではないかと思います。いやもちろんいいものになるという予想はしていたんですが、ホントそれ以上に素晴らしいと感じるワークショップでした。今回の体験でなにか新しいことに目覚めた人もいたんじゃないでしょうかね。

今回それぞれの講座で学べたことは、もう出来る限り共有したい内容だったと思います。どうにかしてお互いで伝えていってほしい。
もしかしたらまた機会があるかもしれませんが、とってもいい経験だったと思うので、ただ参加したな~面白かったな〜で終わらないように。そして、今回このような講座を開催してくださった札幌大谷大学さんに感謝してほしいと思います。ホント、すごいことなんですよ…ありがたい…。。

この場をお借りしまして、札幌大谷大学の講師の皆様、ならびに関係者の皆様、お手伝いくださった顧問の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。無事開催できたことを心より嬉しく思います。また機会がありましたら、ぜひぜひよろしくお願いいたします。

また、平向先生には前日の研究授業の助言者としてもお世話になりました。お会い出来て講評をいただけてとても勉強になりました。お忙しい中本当にありがとうございました。
 

いやーーーそれにしてもマジで素晴らしかった。実におもしろかった。勉強になった。また来月くらいに開催してほしいなぁと、割と本気で思うくらい。
…研究授業はしばらくは遠慮したいですが…(笑)